昔のキャブ車のように、調子を崩したりという、情緒を味わうことも少なくなりました。
環境意識しよりクリーンになる一方で、この電子制御が行われることで、車両の潜在的なパワーが隠された状態とも言えます。
そこで多くのライダーが意識するのはインジェクションチューニングです。インジェクションチューニングについて、基礎知識をおさらいしましょう!
この記事でわかること
1. インジェクションチューニングとは?

『インジェクション』を日本語にいいかえると『電子制御式燃料噴射システム』の名称になります。
わかりやすくいうと、センサーで燃料の噴射を自動調整するシステムです。吸気温度、スロットル開度、排気ガス濃度など、各部センサーからの信号をコンピューターが受信し、その状況に合わせた燃料噴射量を自動調整する仕組みです。
インジェクションになるまでは、キャブレターのジェットと呼ばれる小さなパーツで調整をしたり、その日の天候を読みながら調整を行う感覚的な要素が多く必要でした。これを電子制御で行うのがインジェクションです。
電子制御では、ガソリンの最適な噴射量だけではなく、スパークプラグに点火させる点火時期も最適化できるというメリットもあります。
吸排気パーツを交換した際に、ある程度は電子制御がききますが、場合によってはパワーの出方に波が出来たり、ギクシャクしたり、本来そのマシンが持っているポテンシャルから遠ざかることもあります。
そこで必要になるのが、『インジェクションチューニング』です。
キャブ車はキャブレーターを調整しますが、インジェクション車は、コンピュータを操作します。
サーキットモード、街乗り高燃費モード、高速道路メインモード、などあらゆるシーンに応じてセッティングするこが可能です。
専用のモジュールを使うことで、ボタンひとつでそれぞれのモード切り替えもできます。
コンピューターで細かく算出されたデーターをもとにセッティングできるのも、インジェクションチューニングの魅力のひとつです。
2. インジェクション車でも、ハーレーの三拍子を再現することができる!?
インジェクションチューニングによって、“三拍子”と呼ばれるハーレーのVツインエンジン独特の
鼓動感を再現することも可能です。
3. インジェクションチューニングの種類とは?
インジェクションチューニングには大きく分けて、ノーマルコンピューターのデータを補正する「サブコン」と、コンピューター本体を付け替えて、細かいセッティングを施すことが出来る「フルコン」の2種類に分かれます。
3-1. インジェクションチューニング:サブコンとは?

(画像元:VANCE&HINES)
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ノーマルコンピュータをそのまま使用し、途中に割り込ませることで純正コンピュータのデータに補正をかけて、調整を行うのがサブコンと呼ばれるタイプです。
フルコンに比べて低予算で済ませることが可能ですが、あくまでもノーマルデータの補正になってしまうので、対応出来る領域には限界があります。
車種、年式に応じたデバイスが用意されています。
3-2. インジェクションチューニング:フルコンとは?

(画像元:THUNDER MAX)
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THUNDERMAX(サンダーマックス) オートチューンキット 価格:129,500円 |
※車種・モデルにより適合する商品を選びます。適合は購入前にショップ等で事前確認をしておきましょう。
ノーマルコンピュータとそっくり入れ替えることで、データを全て書き換えることが出来るため、マシンの状態に合わせて細かいセッティングをする事が出来るようになります。
商品によっては、O2センサーの交換も必要になり、信頼できる技術のあるショップに依頼する必要があるでしょう。技術と手間のかかる作業となるため、サブコンと比べると費用はかなり高くなってしまいます。
3-3. フラッシュチューニング

(画像元:Dynojet )
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価格:73,800円 |
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価格:3,300円 |

ノーマルコンピュータのデータをそっくり上書きして書き換えてしまう方法です。中でもオーソドックスなデバイスとして『パワービジョン』が人気となっています。
アメリカ製のコンピューターセッティングモジュールですが、日本仕様も用意され、800回転まで落とせるように設定されています。
いくつかのモードを記憶させることができ、走りにあわせたチューニングを画面上のボタンで設定することが可能で利便性も評価されています。
たとえば、車検時にもノーマルセッティングに戻すことができるもポイントが高いと言えるでしょう。チューニング設備の揃っているバイクショップでセッティングしてもらうのが一般的です。
3. インジェクションチューニングのデメリット

純正ではないものを取り付けるため、取り付ける装置によっては、純正機能が失われることもあります。
アイドリングを下げることにより、発電量の低下によるバッテリーへの負担や、油圧低下によるエンジンへの負担も想定されます。
適切な数値に調整してくれるショップで相談をしながらチューニングを行うとよいでしょう。
まとめ
チューニングは、持ち合わせの性能を100%に近づけるために行います。種類としては、
- フラッシュチューニング:ノーマルコンピュータのデータをそのまま上書きする
- サブコン:ノーマルコンピュータに割り込ませてデータにに補正をくわえる
- フルコン:ノーマルコンピュータと交換することでマシンの状態に細かく対応することが可能になる
の3種類があります。
デメリットとしては、製品によっては本来備わっている純正機能(オートクルーズなど)が使えなくなる場合もあるので注意が必要です。知識や設備だけでなく、経験も豊富なショップに相談しながら、マシンとライダーにとって最適な設定を目指して、最高のライドを楽しんでください。
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