チョッパーカスタムのレイク角・トレール・オフセットを知りたい!

チョッパーカスタムに多く見られるド派手に伸びたフォーク、巨大なフロントホイール。それでも走行できるのには、ちゃんとした計算がされているからです。ただスタイルだけで組み上げたバイクは危険ですし、まず安定走行は望めません。スタイルを重視しながらも真面目に走行について設計されているのです。意外と知られていない、レイク角、トレール、そしてオフセットの基礎知識をお届けします。

 

A Quick Guide to Motorcycle Rake, Trail and Offset

バイクのレイク、トレイル、オフセットの速攻ガイド

(記事・画像元:autoevelution.com

他メーカーから同じ乗り心地のオートバイ2台を見つけるのは、至難の技です。それだけ各メーカーは独自の乗り心地を開発し特色をもたせているからです。今回は特にハンドリングに注目してみたいと思います。

ハンドリングに大きく影響するレイク角、トレール、オフセット、この3つを理解することであなたの愛車に対する理解も、愛も深まるでしょう。

1. レイク角とは何か?


オートバイのレイクは、「フォーク角」と呼ばれることがあります。名前としては、最適とは言えません。なぜなら、レイクはフォークではなくステアリングヘッドとの関係で計算されるものだからです。誤解を避けるため、ここでは、レイクまたはレイク角と呼ぶことにします。

レイクは、2つ仮想線の間の角度を示す数値です。最初の1つは走行面への垂直線で、フロントホイールの中心を通ります。2つめの線はステアリングハブの中心を通ります。これはフォークではなく、フレームの特性の1つです。

この2つのラインの間の角度は、レイクまたはレイク角と呼ばれ、バイクのハンドリング特性に重要な役割を果たします。 ハンドリングは、レイク角、トレール、オフセット量が影響しあいバランスを取っているので一概には言えませんが、基本的な考え方として、レイク角を大きくすれば直進安定性を高めることができます。


(画像元:IMDb

クルーザーやアメリカンバイクは直進性能を重視しているために、レイク角を30度以上にするようフォークを寝かせるように取り付けています。クラシックな風貌を演出するためにより長いフォークレッグとより広いレイク角を造り出しています。どれほどクールに見えようとも、ワインディングや、街乗りでは苦労することになるでしょう。

逆に、スポーツバイクなど素早いかじ取りが必要なバイクはレイク角が25度以下に設定してあります。敏速な方向転換と急カーブでの旋回性、より小さな旋回半径とホイールベースによりスポーツ性能を高めています。旋回能力重視のスポーツバイクにステアリングダンパーを装着させれば、高速安定性が飛躍的に向上します。

ハーレーダビッドソンのようなメーカーにおいては、ノーマルのレイク角は約24度から35度までで、一般的とは言えません。ただしそれが時代を超え「ハーレーらしい」ハンドリングフィーリングを維持しているも言えます

 

トレールとは何か?

レイクは理解しやすい概念ですが、トレールの概念の背後にある考えを理解するには、もう少しイメージを思い描いてみる必要があります。オートバイのトレールも長さの単位で表されます。オートバイのハンドリングと安定性に影響するので、レイクとは密接な関係があります。

オートバイのトレールは、フロントタイヤが地面に接触するパッチの中心から、ヘッドストック軸の中心を通る仮想線が地面と接触する点までの距離です。オフセットのないバイクではレイクとトレイルは比例します。

つまり、レイクが大きければ大きいほど、トレールも大きくなります。オフセットは、レイクとトレイルの関係を調整するために技術的解決策として登場するのですが、詳しくは次の項目で説明しましょう。



トレールの数値が大きいと、あるいは補強アームが長いほど、走行方向を変えるときには再調整しようとするときの力が強くなります。フロントホイールの向きを変えて新しい方向に維持するためにはそれ相当の力が必要になります。トレール数値が大きい車両がワインディングや街乗りに向いていない理由はここにあります。



レイク同様、バイクのトレールはハンドリングにとって非常に重要であり、トレール値が大きくなれば安定性が増します。しかし、大きすぎるトレールは、ハンドリングの安定性に逆効果です。これらの測定値がすべてオートバイの動力学の中で絡み合っているため、バイクの設計者やエンジニアたちは、常に両者の最適な妥協点を見つけ出そうとあれやこれと試みています。その結果として特定の目的に合わせ理想的な組み合わせになっています。

それでも、レイクとトレールだけでは、オートバイの最適な安定性を見つけるのに十分ではありません。残りのシャシーの数値、使用されているサスペンションの種類、バイクの荷重、サスペンションの設定が、もっと理解しがたい、はるかに大きな全体像を構成しています。自転車とバイクの動力学と安定性は、実はまだ完全には理解されておらず、すべてをたった1つの法則に収めることは不可能です。

オートバイの構造を変更すると、マイナスのトレールになる可能性さえあります。これは間違いなく、望ましいことではありません。トレールの重要性をもっと理解したければ、最寄りのスーパーに向かいましょう。ショッピングカートには4つのキャスターがついています。



ピボットアームが正面に向くようにキャスターを整列させて、そのカートを押してみましょう。今、あなたはマイナスのトレイルを見ています。最初、キャスターはこのような動きに抵抗するだけでなく、たちまちあなたに向かって戻ってくるでしょう。これで、あなたはおそらく、ピボットアームを移動方向に向けたまま手押し車を押すことは不可能だ、とわかります。マイナストレールになったバイクには乗れない、ということが理解できると思います。



オフセットとは?

 

オフセットも、レイクとトレイルのように、2本の仮想線の間で測定されます。ステアリングハブの中心を通る軸と、ステアリングチューブの中心を通る軸との間の距離、というのが、フォークオフセットの最も簡単な定義です。



オートバイのオフセットは、様々な形状のトリプルツリーを使ってコントロールされます。トリプルツリーとは、フォークチューブを固定し、フロントエンド全体をフレームに取り付ける部品です。トリプルツリーは、通常、鍛造または機械加工されたアルミニウムから製造され、ステアリングアセンブリーの欠かせないコンポーネントの1つです。


オフセットでオートバイのトレイルを調整することができます。バイクのトレイルがあまりにも小さい場合、オフセットを小さくして補い、ステアリングをより管理し易い範囲内に保つことができます。

オフセットは、アフターマーケットのトリプルツリーで修正することができます。そのヨークはノーマルのものとはつくりが違いますが、異なるステアリングヘッド軸をつけると同じ結果が得られます。オフセットは、カスタムバイクに操縦性を加えるための主要な「武器」としてよく使われます。過度に長いフォークや極端なステアリングヘッド角はバイクのハンドリングに悪影響を及ぼすことがあり、ビルダーは特別なツリーを使って数値を修正し、自分の作品の美学を維持します。

あなたが望むなら、バイクのフォークオフセットを、レイクに影響を与えずトレイルを変更するための「ツール」として使うことができます。しかし、あなたのバイクにそのような調整が必要だと判断した場合は、専門家に相談するほうが良いでしょう。専門家は適切な計算ができるので、走行に不向きなレイク、トレーク値にすることはまずありません。

何よりも、ブレーキ性能に影響することを忘れてはなりません。フォークレッグが圧縮され、潜り込んで短くなると、トレールとレイクも小さくなります。極端な状況では、トレイルがマイナスにさえなり得ます。マイナストレイルになれば、安定性が欠如し、かじ取りが不可能状況にもなりえます。ホイールの直径もレイクとトレイルに影響しますので、バイクのオフセットを変更する場合は、これも考慮する必要があります。

 

まとめ

ただ単純にスタイルだけを求めていては、バイクとして成り立ちません。走行することが目的である以上、物理学の知識を持ってカスタムは行われています。本来、二輪では不安定なはずですが、ジャイロスコープの原理で安定した走行が可能になっています。こうした動力学の原理はすべて紐解かれているわけではありません。二輪で走行している神秘を感じるのもまた一つの味わいとして楽しめると思います。


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カスタムは実に奥が深い。この偉大なる芸術活動、応用力学の崇高な娯楽は決して侮れない。一見不安定なものが安定する、この逆説的な乗り物に俺たちは心を奪われてきた。だからこそ、その奥へまた奥へと探究心が突き進んでいくんだ。

– ハーレー仙人 –

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