隣のハーレーガレージ:#001 “MOCHY HOUSE”

バイク乗りであれば、誰もがガレージライフに憧れますよね。単車や趣味に没頭できる自分だけの空間、家族や仲間と味わう楽しい週末のひと時。究極のライダー生活がガレージにはあります。第一回目の今回は、MOTCHY(モッチー)さんのガレージです。ガレージの扉の向こうには、どんなガレージライフがあるのでしょうか?

 


A Garage Life in Neighborhood #001

どんなきっかけでハーレーに乗りはじめただろうか?古の伝統社会が残る日本や欧州社会から対極にある自由の国アメリカ。伝統のしがらみがない国からは誰も見たことのない真新しいものが次々に誕生してきた。政治、金融、工業、エンターテイメントに至るまで何もかも斬新で世界を沸かせている。

ハーレーダビッドソンも、自転車にエンジンを積んだ1903年からわずか100年足らずで世界のオートバイカンパニーにまで成長した。数多く存在するアメリカンドリームのひとつと言えるだろう。その他各国のオートバイメーカーも同じように自転車にエンジンを積むことから始まったとはいえ、ハーレダビッドソンには単なるオートバイを超越した、アメリカ仕込みのカルチャーが深く関係しているといえる。アメリカが産み出した強烈なカルチャーこそ、ハーレーが築いてきたものであり、ハーレー乗りとしての醍醐味でもあるといえる。

アメリカの偉大さは、人間の喜びのに対して躊躇がなく、人生の楽しみ方を心得ているところにある。オートバイに乗るという行為自体が、至極の喜びであるかのように、利便性や機能を通り越しているから楽しい。ハーレーにまたがりバイカーライフを過ごすことで、人生に多くの楽しみを与えてくれる。こんなバイクは他にはない。

1.   アメリカ西海岸テイストのハーレーガレージ

広島の街並みを抜け、山道を上がっていき、ここちよいワンディングを流して走っているうちに、たどり着いたのはアメリカ西海岸だろうか?

いや、違う。ここは『MOCHY(モッチー) 』のBASE:基地なのだ。

入り口では、パームツリー、そしてヌードビーチを指し示すサインボード、極め付けにこのガロンハットがお似合いのオヤジが描かれた大きな看板が出迎えてくれる。

「丸3年が経ちました。ここに来てから楽しくない週末はありません。」平日は市内のど真ん中で住宅関係の営業を担当している。仕事柄、家を建てることに精通しているため構造や間取りについて、家を建てる前から念入りにディテールを描いていったそうだ。当然、『ガレージ』は外せない項目になっていた。

20代の頃、友人と何のバイクに乗るか盛り上がっていた。当時YAMAHAのTWが候補になっていた。が、友人の勧めでアメリカンのドラッグスター250からバイカーライフがスタートした。時が経つにつれ、仲間が次々にハーレーに乗り換えていった。

「ハーレーがまるで感染症のように僕の周りはみんなハーレーになりました。」そしてモッチーもついにHarley-Davidson DYNAにまたがることになった。

「白いダイナって純正ではないんです。だから購入してすぐにペイントしました」自分が思い描いたものを実現していく。頭に浮かんだものが、目の前に出現すことほど面白いことはない。タンクの上を美しいラインが上品に駆け抜ける。プライマリーチェーン部のカバーはクリアに、右のエンジンカバーには家紋をあしらった特注品の真鍮が取り付けられている。

モッチーには奥さんと二人の子供がいる。結婚する前は、奥さんとよくタンデムツーリングに出かけていたそうだ。そこで、結婚の記念に二人が一つの家族を築いてく証として、DYNAに家紋を施すことを思いついた。

あらゆる情報を調べ上げた結果、通常のバイクカスタムショップの範疇ではないということがわかった。そこでモッチーは、次に鉄の加工業者を探し回ることにした。そしてようやく見つけたのが、ある田舎で特殊な仕事に勤しむ職人のアトリエだった。宇宙産業や研究機関からの仕事を引き受けている凄腕職人だということがわかったのは後のことだった。一つに見えるこの家紋エンブレムは、それぞれ細かなパーツで構成されている。偶然知り合った職人の細かやかな技術は確かなものだった。

ガレージでの過ごし方にルールはない。リラックスできると言えばそれまでだが、突き詰めて言えば『自分が自分で居られる場所』。子供ですら自由にはしゃげる場所になっている。

ハーレーの横にはアメ車のダッジ・ラムが堂々と佇んでいるが、圧迫感はない。車の寸法も計算してガレージを設計しているからだ。

 

2. アメリカンカルチャーを解き放つガレージ雑貨

壁には引き寄せられてやってきた雑貨の数々がそれぞれの役割を果たしている。車でさえもムードを演出するための重要なモニュメントになっている。飛ぶように壁にかかっているのはハマーのマウンテンバイクだ。ダッジ、ハマー、そしてハーレー。アメリカのオート産業を支えてきた名ブランドが並ぶ。

どこからともなくやってきた雑貨アイテムは、どれを見ても愛着が湧いてくるものばかりだ。ハーレーライフは、こうした自分の演出をどこまでも受け入れてくれる。自分だけの世界観で配置されたはずのものだが、不思議と誰にとっっても居心地のいい場所になっている。それぞれがキャラクターとして、個性を持ちそして賑わい、フレンドリーに接してくれる。

ハーレー時計が壁にかかっているがおそらく時間なんて忘れているはずだ。ハーレーのポスターやヴィンテージの広告看板レプリカなど全てアメリカから海を越えてやってきては、次にやってくる仲間を待っているかのようだ。

AMF時代のシェベルのタンクは友人からの贈り物。ガソリンとオイルで分かれていたハーレーのタンク。右半分は友人が所有している。

ガラス扉を開ければ室内へは出入りが自由にできる。子供と戯れたり、友人と語り合ったり、単車磨きに没頭したり、誰も拒否されることのない空間。アメリカのテイストの魅力はなんといってもこの自由な空気感だ。

この日の外気温は18℃。のんきに浮かぶ雲たちが太陽の前を通り過ぎてはゆったりとした陰影のリズムを刻む。雲間からちょうど日差しが差し込んだ頃、奥さんが外出先から帰ってきた。

「仕事を頑張っているのも彼ですから。好きなようにさせてあげたかったんです。」カリフォルニアのガレージが一瞬にして聖母マリアの教会へと化した瞬間だった。

 

3. ガレージライフのおもてなし

モッチーのガレージは、個人の楽しみだけでは終わらない。家族や仲間が楽しめるコンセプトに仕上がっている。最初に描いた青写真の段階で、理想のライフスタイルから設計している。個人のホビースペースでありながら、いかに家族や仲間に楽しんでもらえるか。

アウトドアに最適の季節になれば外でBBQを楽しむ。友人や近所の子供を喜ばせることも忘れない。夏にはCOSTCOから連れ帰ったプールを広げ、子供たちがはしゃぎ回るのを大人たちは幸せな気持ちで眺めることができる。

さりげなく置かれているUltimate Ears のスピーカーからは西海岸ラジオ局のDJが厳選したサウンドが流れ続ける。ここにいるといつの間にか時間どころか、どこにいるのかさえも忘れてしまう。玄関先のヤードに点在するアイテムを眺めているうちにウェストコーストの波しぶきさえ聞こえてきそうだ。

  

「バケツは洗車用です。たしか輸入雑貨屋さんから連れて帰りました。その他はスプレーで吹き付けり、手持ちのステッカー貼ったりしてオリジナルに仕上げています。」

 

4. ガレージに漂う名盤

ガレージに流れる音楽があった。モッチーがピックアップしたのは、The Crystals の HE’S A REBEL。1962年にリリースされ、グラミー殿堂賞している名盤だ。アルバムタイトルになっている1曲目 He’s a rebel は、不良の男に恋をする女の子の気持ちを歌ったナンバー。

(画像・音源元:Wikipedia

60年代に生まれたカルチャーは現代のガレージにも寄り添ってくれる余裕がある。無理をしないゆるさが心地よい。

モッチー一押しの名アルバムだ。

5. ハーレー乗りのツーリングスポット

モッチーが行きつけるツーリングスポットもまた、どこまでもアメリカンだ。広島県廿日市市にある『KT Diner』 。ここではとことんアメリカンカルチャーを楽しむことができる。ハーレー乗り、アメ車好きはもちろん、アメリカファンが多く集うスポットになっている。


(画像元:Facebook Page

仲間とのおきまりツーリングコースになっている。信号のない山道を抜け、清流を横目にたどり着く場所がここだ。豪快なアメリカンフードで空腹も気分も満たされる。

KT Dinerへのアクセスマップ

住所:広島県 廿日市市栗栖北山188‐270
電話:0829-72-1295

 

6. これからのガレージライフの嗜み

小さな憧れを一つひとつ実現してきたモッチーに今後のガレージライフの楽しみ方について聞いてみた。「これまでと同じように、少しずつ好きなものを集めて、好きな仲間と走って、家族との貴重な時間を過ごしたいですね。今考えているのは、もうひとつ家を建てることです、丸ごと全部ガレージの家なんですけね。」

「自分でできることは、全部やる」それががモットー。庭先の看板のフレーム作りから照明取り付け、配線、小物アレンジ、そして裏庭に存在する秘密のガレージすら自分で作っている。

DIYとは” Do It Yourself” を指す、アメリカから来た言葉だ。そもそもアメリカ人の気質として、車と家は自分でメンテナンスするのが当たり前だ。

労力と時間を短縮する利便性だけを追い求めてきた現代の日本人にとっては、いま特に必要な要素かもしれない。

「このダイナは、一生乗り続けますよ。」

家族も仲間も一生モノだというメッセージに違いない。

 


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アメリカを豊かにしてきたのは石油だと思ったら大間違いだ。矛盾と戦い、正義を貫いた良識あるアメリカ国民のパワーに他ならない。アメリカの頂点に立つのは大統領でもホワイトハウスでもない、偉大なる”カルチャー”だ。

– ハーレー仙人 –

もし気にいってくれたら下のボタンを押してくれ。ページのカスタムに勤しむ俺の仲間たちが喜ぶからな。最後まで読んでくれてありがとよ。


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