単気筒からEVまで!?ハーレーエンジンの種類と歴史

ハーレーのバイクは1903年に1号がアメリカ、ミルウォーキーにある小さな小屋で産声をあげました。1901年にウィリアム・S・ハーレーによって描かれた青写真が現代にまで受け継がれる老舗モーターサイクルカンパニーになるとは誰も想像していなかったでしょう。

最初のエンジンは単気筒でした。そして伝説のVツインが世に登場するのは6年後の1909年。以後100年以上にわたりVツインは進化し続けています。

今回は、ハーレーエンジンの歴史の旅にでかけてみましょう!


この記事でわかること

1. ハーレーのVツインエンジン誕生:1909年

(画像元:Harley-davidson Museum

立ち上げから6年目にして生まれたのが、この49.5キュービックインチのこのV型のエンジンこそ現代までアイコンとして継承されるVツインエンジンの原型となります。

 

1909年 Vツインエンジ サウンド

 

 

2. Fヘッドエンジン 1911年  Harley-Davidson F-head

(画像元:Harley-davidson Museum

1929年フラットヘッドが登場するまでハーレーを支えたエンジンです。

 

3. フラット・ヘッドエンジン 1929年 Harley-Davidson Flathead 

(画像元:Harley-davidson Museum

歴代エンジン中、1929年から1973年ともっとも採用期間が長いシンプルで耐久性のあるサイドバルブエンジンです。

サイドバルブ方式のこのエンジンは、シリンダーヘッドには放熱用のフィンが切られた以外は、スパークプラグの穴が空いているだけでOHVエンジンのようにロッカー廻りやバルブなどはありません。

『フラットヘッド』というネーミングは『ヘッドに何もない』ということから後付けされました。

フラットヘッドの最大のメリットは、パーツ点数が少なく、メンテナンス性に優れていることです。

ちょっとした知識と工具があれば、自分でオーバーホールできる利便性の良さから、フラットヘッドを搭載したモデルはアメリカでは軍用バイクとして指定されていました。

サイドバルブ方式とは、吸排気ポート及びバルブがシリンダー側面に配置され、バルブの傘が上向きに取り付けられたエンジンです。

吸気ガスと排気ガスの交換効率が悪く、残留ガスが起因のノッキングの発生率が高いために圧縮比を高くできないので、非力なことがデメリットでした。

 

ハーレー フラットヘッドエンジン サウンド

 

 

4. ナックル・ヘッド 1936年 Harley-Davidson Nucklehead 

(画像元:Harley-davidson Museum

現在のビックツインの基礎を作った初代OHVエンジンです。1936年から1947年まで採用されました。

OHV方式とは、バルブをシリンダー上部に設置して、クランクシャフトと連動するカムがプッシュロッドを介してロッカーアームを動かすことによってバルブを開閉する機構のことです。

高回転に対しての追従性がよく、サイドバルブ方式と比較して混合気の流入と排気ガスの排出の流れがよく、燃焼室をコンパクトにできるので圧縮比も高くできます。

ロッカーアームのカバーが握り拳に見えることから、ナックルヘッドと呼ばれるようになりました。

カムシャフトは、フラットヘッドに対して1本になり、クランク・ケースは小さく、シンプルに改善されました。

その後もツインカム88まで基本的な構造に大きな変化がないことからも、ビッグツインの基礎を築いたエンジンです。

 

ハーレー ナックルヘッドエンジン サウンド

 

5. パン・ヘッド 1948年 Harley-Davidson Panhead

(画像元:Harley-davidson Museum


ナックル・ヘッドの基礎を継承しつつ、ナックル・ヘッドの問題点だったロッカーカバーの構造を見直した構造になっています。ロッカー・アームをシリンダーヘッドに固定することで、ヘッドカバーは完全に覆い被されるような形状になり、オイル漏れが改善されました。

また、ナックル・ヘッドよりも高回転、高馬力にするためにハーレーのエンジンとしては初めてアルミ製のシリンダーヘッドが採用されました。

1953年からは油圧タペットを採用し、カムとプッシュ・ロッドの寿命を延ばすことに、1955年にはクランクのベアリングをテーパーベアリングにすることでエンジンの寿命を延ばすように改善されています。

 

ハーレー パンヘッドエンジン サウンド

 

 

6. ショベル・ヘッド 1966年 Harley-Davidson Shovelhead 

(画像元:Harley-davidson Museum

1966年にショベルヘッドが登場します。パン・ヘッドにスポーツスターのヘッド構造を取り入れて、耐久性、メンテナンス性を向上させながら、パーツ点数を少なくすることでコスト・ダウンも行なっています。バルブの径を大きくすることで吸排気効率もさらに向上しています。

1978年から、排気量が1340ccにアップされ、ここから”いわゆる”ハーレーの鼓動感が出るようになりました。ストロークが長くなったことで、より強いトルク感も出るようになりました。

 

ハーレー ショベルヘッドエンジン サウンド



7. エボリューション 1984年 Harley-Davidson Evolution 

1984 FXSTソフテイル

(画像元:Harley-davidson Museum

 

ショベルまでの「〇〇ヘッド」というニックネームは自然に広がり、エボリューションでは「ブロック・ヘッド」と名付けられたものの、従来のシリーズほど普及はしなかったようです。日本では『エボ』と呼ばれることもあります。

アルミシリンダーと熱損失の少ないフラット・トップ・ピストンの採用やポート形状、バルブの挟み角の見直しなどで性能、強度、耐久力など、全面的な性能向上に成功しています。

同年登場したソフテイルにはエボリューションエンジンでデビューを飾りました。

 

 

ハーレー エボリューションエンジン サウンド

 

7-1. スポーツスターエボリューション 1986年 Harley-Davidson Evolution on the Sportster 

レースで勝つために開発された高回転4カムエンジンのをルーツとし、強度を確保するためにミッション一体型のクランク・ケースが採用されています。

のちにスポーツスターのエンジンは、Buellのエンジンとして活躍するのも自然な流れとなります。Buellはスポーツバイクの代名詞としてVツインエンジン搭載し、多くのライダーを虜にしていました。

(画像元:Harley-davidson Museum

 

8. 水冷デュアル・オーバーヘッドカムエンジン 1994年 Harley-Davidson Dual Overhead Cam liquid-cooled motorcycle

VR1000

(画像元:Harley-davidson Museum

V-RODの原型となる水冷エンジンが登場します。レース車両として、レプリカマシンの開発が進んでいました。のちにレボリューションエンジンとしてV-RODに搭載されます。

 

ハーレー VR1000 エンジンサウンド

 

9. ツインカム88/88B 1999年 Harley-Davidson Twin Cam 

(画像元:Harley-davidson Museum

 

エボリューションから、時代の流れで高速化、低公害化に対応させるために新しく開発されたエンジンです。「〇〇ヘッド」という呼び方では『ファット・ヘッド』と呼ばれていますが、エボリューション同様あまり一般化しませんでした。

エボリューションを基本構造としながら、カムシャフトがそれまでの1カムからツインカムになったのが大きな変更点です。ダイナやツーリングファミリーに採用されたツインカム88とソフテイル用にバランサーを搭載した88Bがあります。その後も改良が重ねられ、現在のミルウォーキーエイトに引き継がれます。

 

10. レボリューション Harley-Davidson Revolution 


ハーレーのロードレーサーであるVR1000用のエンジン技術をもとに開発された水冷式DOHC4バルブのVツインエンジンでV-RODに採用されています。

 

11. レボリューションX  2015年 Harley-Davidson Revolution X

V-RODに搭載されていた水冷Vツイン、レボリューションに次ぐ次世代水冷ハーレーダビッドソン、ストリート750に搭載されるSOHC4バルブエンジンです。

 

日本人ビルダーによる、ハーレーストリート750 カスタムプロジェクト

12. ミルウォーキーエイト 2016年 Harley-Davidson Milwaukee-Eight 


2016年に登場したビッグツインエンジンです。1カム4バルブ、ツインプラグのOHV方式を採用し、従来のツインカムと比較して10%のトルクアップ、全域でのパワーアップを実現しパワフルなエンジンとなりました。

13. ハーレー電動バイク『ライブワイヤー』 Harley-Davidson LiveWire

(画像元:Harley-Davidson USA

Vツインではなく、電気駆動のハーレーとなります。2014年に突如として姿を表したハーレーのEVバイク『LiveWire』。いよいよ未来のバイクとして登場を控えている状態です。

ツインでなくとも、やはり音にはこだわりたい意向を示し、市場に出回るのが楽しみなバイクとして期待が寄せられています。

 

まとめ

ハーレーの奥深さは積み上げられた歴史にあります。始まりは若き青年の思いつきによるエンジン構想から、現代では電動にまで発展を遂げています。その意味でバイクの歴史は浅く、まだ進化の途中でこの先が読めないおもしろさも秘められています。

ここで触れたエンジンは、ハーレー史に登場する全てではありません。イタリアのアエルマッキを買収した背景、トッパーをはじめとする小型のエンジン開発にもたずさわっています。

その時代に存在する最前線の技術を投入して生み出されたエンジンは、どれも傑作といえるものではないでしょうか?

どの時代も楽しめるバイクとして、ハーレーは一線を画する存在であることには違いありません。


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バイクは一つの生命体とも言える。扱いは丁重にな。

– ハーレー仙人 –

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