ハーレーツインカム88エンジンのチェーンテンショナーは壊れやすいですか?

ハーレーエンジンのツインカムが登場するまでは、OHVのシングルカムでした。OHVシングルカムはフライホイールの回転をダイレクトにカムシャフトに伝えることで、プッシュロッドを介しバルブの開閉を行う仕組みです。

1999年に登場したツインカム88は、フライホイールからチェーンを介してカムシャフトを動かす仕組みになり、チェーンにはチェーンテンショナーというパーツを要しました。

そして、この『チェーンテンショナーが粉々になるらしいのですが、本当でしょうか?』という質問に今回はお答えします。まずは、ツインカムの歴史からご覧ください。

 

1. ハーレーのツインカムエンジンが生まれた理由

ハーレーのビッグツインエンジンは、1936年にナックルヘッドが誕生してから現代まで進化し続けています。新型エンジンが登場するたびに大きな技術進歩が見られる中、これまでシングルカムだったハーレーのエンジンが1999年にツインカムになりました。それが『ツインカム88』と呼ばれるエンジンです。それ以降、ツインカム96(1584cc)、ツインカム103(1689cc)、ツインクールドツインカム103(1689cc)、スクリーミンイーグルツインカム110(1801cc)と進化してきました。

2017年のツインクールドミルウォーキーエイト107から再びシングルカムになりました。

エンジンが進化するために、よりパワフルで高効率化が進みました。ツインカム88も同じく、長距離を走るライダーたちからの要望はさらなるパワーでした。その背景としてアメリカの国内法定速度が引き上げになり、時速100km以上の巡航が可能になったということもあります。

パワーアップをする一つの手段として、排気量アップがありますが、これまでのシングルカムのまま排気量をあげるには、設計上の問題がありました。クランクケースが大きくなったり、ストロークを延ばすとエンジンの高さ必要になるため別の手段をとる必要があったのです。それが、『ツインカム』という手段です。

これまで一つのカムシャフトで4つのプッシュロッドが動きバルブの開閉を行っていました。ツインカムでは、その名の通り前後2つのカムシャフトがプッシュロッドを動かす仕組みになりました。

これにより、エボリューションエンジンの

  • ボア88.85mm × ストローク107.95mm = 1338.6cc

から、ツインカム88エンジンは

  • ボア95.22mm × ストローク101.6mm = 1450cc

つまり、『88キュービックインチ』のエンジンが完成しました。

 

2. チェーンテンショナーが破損するケースとは?

質問の回答をすると、粉々になるのは本当ですが、それは放置し続けた場合に起こります。消耗パーツの宿命とも言えるでしょう。

右側のクランクケースを開けるとカムチェーンをバネの力で調整する樹脂カバーがついているのを確認することができます。

(画像元:J&P Cycles

画像のオレンジ色のパーツがチェーンテンショナーです。このチェーンテンショナーは、見ての通り高速で回転し続けるチェーンを支えているため、磨耗を避けることはできません。
これまでのOHVエンジンは、フライホイールからの回転をダイレクトに受けてカムシャフトを回転させていましたが、ツインカムになることで、チェーンで回転をさせる設計になったためこの樹脂パーツが必要になりました。

 

金属パーツにすると、今度は鉄粉が発生しギアにダメージを与えることになるため、樹脂が採用されています。走行距離が伸びれば伸びるほど磨耗が進み、回転に耐えきれなくなると破損につながります。

 

3. カムのチェーンテンショナー交換時期の目安

交換の目安は8万キロから10万キロ走行していれば交換をしておきたいところですが、車両の状態に応じて磨耗や劣化の進み具合が異なるため一概には言えません。

ツインカム88のチェーンテンショナーが壊れやすいという意見に対する答えの一つに、『磨耗』そして『経年劣化』があります。

ツインカム88がデビューしたのは1999年です。現在から遡っただけの年数が経過していることを考えれば劣化はやむをえないでしょう。

また、年数に応じて走行していれば走行した分だけ磨耗は進んでいるはずです。これを放っておくと当然破損へとつながります。

購入時の走行距離や年式から判断し、必要であれば点検をします。また車検時、エンジンのオーバーホールをする際に点検することをおすすめます。

 

4. チェーンテンショナーが破損するとどうなる?


(画像元:Las Vegas Harley-Davidson

エンジンの不調が起きます。カムが回転することで、プッシュロッドを介してバルプの開閉を行います。カムの回転に異常が発生するとなると、吸排気に影響してきます。

場合によってはエンジンがかからなくなることも考えられます。パーツの破損、エンジンの停止を考慮すると気に留めて起きたい重要な消耗パーツと言えます。

 

まとめ

チェーンテンショナーという消耗パーツが、ツインカムにはあるという事実を知ることで破損を未然に防ぐことができます。この事実を知らずに放置しておくとエンジンの不具合につながる余計なダメージを与えることになります。目に見えない消耗パーツなだけに、磨耗や経年劣化が疑わしい場合には早めに点検しておきましょう。


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